記憶の甲殻

読んだ本、観た映画の感想を記憶にしまうブログ。

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『骨を彩る』彩瀬まる

惚れました。著者のファンになりました。 帰国したら必ず文庫を買います。手元に置いて愛でたい、本も登場人物もみんなまとめて抱きしめたい、そんな一冊。 こんなにも綺麗で、読者の感受性をびりびりと刺激する文章はなかなか無いはず。 芸術的で、アンニュ…

新品の手帳がくれる錯覚

私には、ある癖がある。 ついついやってしまう、癖。 それは、手帳を買うこと。 既に手帳を持っていようと、今が年の真ん中であろうと終わりに近づいていようと、そんなことは関係なく、ついつい新しい手帳を買ってしまう。 そのせいで一冊の手帳を初めから…

『完璧な母親』まさきとしか

んー後味が悪い。期待通りと言えばそうかもしれない。タイトルから匂うサイコ臭。 前半はホラー、後半はミステリー、読了後は悲しみに沈む。誰のことも責められない、誰も救われないし、救いようがない。 ミステリーとしては、回収されず仕舞いな要素があっ…

『愛を振り込む』 蛭田亜紗子

6人の女性を描いた短編集。 その後なんとか幸せになっていて欲しいなと思わせる女性たち。 幸せが何なのかは分からないけれど、やっぱり幸せになりたいと思わせてくれる女性たち。 一度読むだけじゃもったいない、そんな奥行きがある気がする。 彼女はどん…